2とび・5とび・10とびの数え方、どう教える?

テーブルの上にまとめて並べた10個のブロックを、指さしながら数えている子ども。
この記事の内容
  1. とび数えって、どういうこと?
  2. 日本の学校では、いつ学ぶ?
  3. いちばん教えやすい順番は?
  4. とび数えは、本当に九九の役に立つ?
  5. プリントなしでできる、かんたんな練習
  6. 100の数表で、とび数えを「見える」ようにする
  7. つまずきやすいところと、声のかけ方
  8. 唱えられるのに、意味がわかっていないみたい。普通?

2とび・5とびの数え方とは、1、2、3、4ではなく、2、4、6、8のように、決まった数ずつとびながら数を唱えていくことです。日本では小学1年生の算数で、20までの数や100までの数を学ぶ中で出会います。

結論から言うと:10のまとまりで数える10とびは位取りの考え方そのものなので入りやすく、2とびは靴や手など身近な「2つ組」があるので親しみやすく、5とびは少しむずかしめです。大切なのは、声に出して唱えるだけでなく、その数ずつまとめた実物で数えること。手でまとめた経験こそが、ただの唱えことばではない、かけ算の理解につながっていきます。

私たちがつくっている数のアプリは、子どもが小さな動物のまとまりを数えてから答えを書く、まさにこの土台の上にあります。だから、とび数えは私たちがいつも考えている力です。ここでは、とび数えとは何か、学校ではいつ出会うのか、教える順番が思った以上に大切な理由、そしてプリントがなくてもできる練習法をまとめます。

とび数えって、どういうこと?

1ずつではなく、決まった間隔で数えることです。2とびなら2、4、6、8、10。5とびなら5、10、15、20。10とびなら10、20、30、40。ちょっとした小技のように聞こえますが、数えることとかけ算をつなぐ大事な柱のひとつです。九九の段はどれも、もとをたどれば、とび数えの列です。子どもはやがて、毎回数え直すかわりに、それを覚えて唱えるようになります。

日本には、昔から伝わるとび数えの唱え方もあります。物を2つずつ数えるときの「にー、しー、ろー、やー、とお」。8を「はー」と言う地域もあり、「ちゅうちゅうたこかいな」という数え歌で10まで数える家庭もあります。おじいちゃん・おばあちゃんから聞いたことがある、という子もいるかもしれません。

日本の学校では、いつ学ぶ?

1年生です。学習指導要領は1年生の内容として、具体物をまとめて数えること、数を10を単位としてみることを挙げています。教科書ではたとえば、2学期のはじめの「10より大きいかず」で2ずつ・5ずつまとめて数え、3学期の「20より大きいかず」で5ずつ・10ずつ数えながら100までの数を学びます。2年生ではさらに「同じ大きさの集まりにまとめて数える」ことを学び、2学期には九九が始まります。

3とび・4とびなど、ほかの数のとび数えは九九といっしょに出会うことが多く、その前に練習しておく必要はあまりありません。

いちばん教えやすい順番は?

10とび、2とび、5とびの順がいちばんなめらかに進みやすく、それには、ただの習慣ではない理由があります。

  • 10とびは、位取りの考え方にそのまま乗れる。10、20、30は「10が1つ、2つ、3つ」。日本語では「じゅう、にじゅう、さんじゅう」と、ことばそのものがそうなっています。しくみは位取りとはでくわしく説明しています。
  • 2とびは、体の感覚と結びつく。靴、靴下、手、目。子どもは教わる前から「2つ組」を体で知っていますし、「にー、しー、ろー」の唱え方を耳にしているかもしれません。
  • 5とびは、数字の並びが少し独特。一の位が5と0を交互にくり返すので、ほかの2つより少し覚えにくいのです。ここで出だしがゆっくりでも、何かがおかしいサインではありません。片手の指5本をひとまとまりとして使えるのは、5とびの強い味方です。
テーブルの上に長く並んだ数えるための木のブロックのひとつに、子どもの指がふれているところ。
数を唱えるだけでなく、実際のまとまりを数える。それが、数の並び方を定着させます。

とび数えは、本当に九九の役に立つ?

立ちます。下の表のように、とび数えの最初の5つは、そのまま九九の段の前半です。

とび数え最初の5つ九九でいうと
2とび2、4、6、8、102の段の2×1〜2×5(にいちがに〜にごじゅう)
5とび5、10、15、20、255の段の5×1〜5×5(ごいちがご〜ごごにじゅうご)
10とび10、20、30、40、50九九にはないが、10のまとまりと位取りそのもの

「2、4、6、8、10」がすらすら言える子は、気づかないうちに2の段の半分を覚えています。教科書会社によって順番は少し違いますが、2年生の九九は5の段や2の段から始まることが多く、とび数えに慣れた子にとっては、なじみのある並びに出会い直すことになります。九九の覚え方については九九の覚え方で、ちょうどここから先を扱っています。

時計を読むのにも5とびは欠かせません。長い針が数字ひとつ分進むごとに5分ずつ増えるので、5、10、15…と数えられると、1年生で習う「なんじなんぷん」がぐっと楽になります。

プリントなしでできる、かんたんな練習

  • 数字だけでなく、実際のまとまりを数える。靴は2つずつ、片手の指は5本ずつ、両手の指は10本ずつ。数を言うだけでなく、まとまりを指さします。
  • 体を動かす。とび数えに合わせてジャンプ、手拍子、階段を一段。声だけより、体のリズムと結びついたほうが、ずっと覚えやすくなります。
  • 途中から始めてみる。最初から最後までの唱え方が楽になったら、いつも0からではなく「20から続けて」とたのんでみます。ここが、覚えた歌と、本当に使える力との分かれ目です。
  • お金とおはじきを使う。10円玉を「10、20、30」と数える、おはじきを2つずつ動かして「にー、しー、ろー」。遊び道具がそのまま教材です。
  • おやつを分けながら。ボーロやおはじきを2つずつお皿に移しながら「にー、しー、ろー」と数え、最後に1ずつ数えて確かめる。とびとびで数えても1ずつ数えても同じ数になる、という発見は、かけ算の大事な感覚の芽になります。
  • お風呂やお散歩で。湯船の「10数えたら出よう」を「2とびで20まで」にしてみる。逆からの「20、18、16…」は、さらにむずかしい挑戦です。
ひと組の靴を並べて数えている子どもの手。
子どもは、靴や手から「2つ組」の感覚を、教わるずっと前から知っています。
外でジャンプしながら、声に出して数えている子ども。
数えるたびにジャンプや手拍子をすると、声だけで言うより並び方をつかみやすくなります。

100の数表で、とび数えを「見える」ようにする

とび数えは耳で覚えるものと思われがちですが、目で見るとぐっとわかりやすくなります。1〜100の数表を用意して、2とびでたどり着いた数に色をぬってみてください。2とびは縦じまの模様に、5とびは5の列と10の列の2本の線に、10とびはいちばん右の1本の列になります。とび数えには「きまり」がある、ということが一目で伝わり、5とびの一の位が5と0をくり返す理由も、色の並びから自分で気づけます。

つまずきやすいところと、声のかけ方

よく見られるのは、10を超えるところでの迷子です。2とびで「…6、8、10」のあとに「11」と言ってしまったり、5とびで「…45、50」のあとが出てこなかったり。そんなときは答えを言うより、「10から2つ進むと?」と1ずつ数えて確かめさせてあげてください。とび数えは1ずつの数え方の上に成り立っている力なので、迷ったら1ずつに戻れば必ず答えにたどり着けます。それがわかっているだけで、子どもは安心して「とぶ」ことができます。

お金も、とび数えの身近な練習台です。10円玉を「10、20、30」と数えるのは10とび、5円玉を「5、10、15」と数えるのは5とび。お店やさんごっこでの支払いは、そのまま数えるゲームになります。

唱えられるのに、意味がわかっていないみたい。普通?

とても普通です。「2、4、6、8、10」と唱えることと、それが「2のまとまりが5つ」だとわかることは別の力で、唱え歌のほうがほぼ必ず先にやってきます。数えることそのものと同じです。「いち、に、さん」と唱えられても、「3」がどんな量なのかわかるのはずっとあと。唱えことばを、実際に数えられるまとまりと組み合わせることが、時間をかけてその差を埋めていきます。唱えることだけをくり返しても、差は埋まりません。

保護者の方からよくある質問

2とび・5とびの数え方とは?

1ずつではなく、決まった数ずつとびながら数えることです。2とびなら2、4、6、8、10、5とびなら5、10、15、20。九九や時計の読み方、お金を数えることの土台になります。

2とび・5とびは何年生で習う?

小学1年生です。20までの数を学ぶ中で2ずつ・5ずつまとめて数え、100までの数を学ぶ中で5ずつ・10ずつ数えます。3とび・4とびなどは、2年生の九九といっしょに出会うことが多いです。

2とび・5とび・10とび、どれから教えるのがいい?

10とびは位取りとそっくりなので入りやすく、次に、靴や手など身近な「2つ組」がある2とびがおすすめです。5とびは一の位が5と0をくり返すぶん少しむずかしめですが、片手の指5本を使うと助けになります。

とび数えができれば、九九は覚えなくていい?

いいえ、とび数えは九九への入り口です。2とびで10まで言える子は、2の段の半分をすでに知っていることになります。とび数えで数の並び方がわかり、九九を唱える練習で、それがすぐに思い出せる力に変わっていきます。

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