九九はいつから習う?小2の流れと家でできる準備

結論から言うと:日本では、かけ算と九九は小学2年生の2学期に習います。10月ごろに始まり、5の段・2の段・3の段・4の段、続いて6〜9の段と1の段へ進み、12月ごろには九九表のきまりを調べるところまで、約2か月半で81個すべてに出会います。そのあと3年生のわり算で毎日のように使いながら、しっかり定着していきます。入学前や小1のうちに九九が言えなくても、まったく問題ありません。
この記事では、学校での流れ、九九がすっと入るための「準備の力」、そして食卓をテスト会場にしない手伝い方をまとめます。私たちは小さな子ども向けの数のアプリをつくっていて、りんごを1つずつ数えていた子が、ある日突然「3こずつが4つ」と見えるようになる瞬間をたくさん見てきました。その一歩は、速さよりずっと大切です(このことは、あとでまたふれます)。
九九は何年生の何月に習う?
文部科学省の学習指導要領では、かけ算の意味と九九は2年生の内容です。学習指導要領の解説(算数編)でも、九九の唱え方を記憶しておけば答えを簡単に求められることが、かけ算のよさとして挙げられています。どの段もしっかり身につけ、生活や学習で使えるようにすることが目標です。
教科書会社によって、時期や段の順番は少しずつ違います。たとえば日本文教出版の2年生の年間指導計画では、10月上旬〜11月上旬の「かけ算(1)」で2・5・3・4の段、11月上旬〜12月上旬の「かけ算(2)」で6・7・8・9・1の段、12月の「九九のひょう」でかけ算のきまりを調べます。東京書籍の教科書は5の段から始まり、2・3・4の段と続きます。3年生になると、九九を1回使って答えを出すわり算や、2けた×1けたのかけ算へと進みます。
| 時期の目安 | 学校で習うこと | 家庭でのポイント |
|---|---|---|
| 小1(6〜7歳) | 2ずつ・5ずつ・10ずつまとめて数える | 2とび・5とびで数える遊び |
| 小2の1学期〜2学期のはじめ | 2けたのたし算・ひき算の筆算、1000までの数 | 「同じ数ずつのまとまり」に目を向ける |
| 小2の2学期(10〜11月ごろ) | かけ算の意味、5・2・3・4の段 | 唱える練習の聞き役になる |
| 小2の2学期後半(11〜12月ごろ) | 6・7・8・9・1の段、九九表のきまり | 上がり九九・下がり九九・ばらばら九九 |
| 小2の3学期〜小3 | 九九の定着、わり算、2けた×1けた | 7の段など、苦手な段をときどき復習 |
九九の前に育てておきたい3つの力
九九は暗記の勉強ですが、その下には考え方があります。考え方を知らずに答えだけを覚えた子は、ひとつ忘れたときに立ち戻る場所がなく、そこで止まってしまいます。カードを用意する前に、次の3つができていると、九九はずっと入りやすくなります。
- とび数えができる。「2、4、6、8」「5、10、15、20」と声に出して数えられること。これが2の段と5の段の骨組みです(2とび・5とびの数え方にくわしく書いています)。
- 同じ数ずつのまとまりが見える。3粒ずつぶどうがのったお皿が4枚あれば、それは「3粒ずつが4皿分」、つまり3×4。これがかけ算の本当の意味です。
- 並んだ形を2通りに見られる。4個ずつ3列に並んだおはじきは、3個ずつ4列とも見られます。ひとつの並びを2通りに数えられることが、3×4と4×3の答えが同じになる理由の芽です。


ちなみに、学校ではかけ算の式を「1つ分の数×いくつ分」の順で書くことを大切にします。「3粒ずつ4皿分」なら3×4です。一方で2年生では、かけられる数とかける数を入れかえても答えは同じになること(3×4と4×3)も学び、答えを求める工夫として使います。文章題の式の書き方は学校のやり方に合わせ、答えを出すときの工夫としては入れかえも使える。そう覚えておくと、家で教えるときに迷いません。
なぜ5の段や2の段から始めるの?
九九は1の段から順番に覚える必要はありません。学校では、子どもがすでに持っているとび数えを生かせる段から入り、それを足場にしてむずかしい段へ進みます。
- 5の段と2の段が最初です。5とび・2とびと同じ並びで、答えにも規則があるので、自信につながります。5の段は、時計の長い針の読み方ともつながっています。
- 3の段と4の段が次。4の段は2の段の2倍なので、2の段を知っていれば手がかりがあります。
- 6・7・8・9の段は後半です。多くの子がいちばん苦労する段ですが、ここまで来ると、答えの半分ほどはすでに別の段で出会っています。
- 1の段は、九九表を完成させる段として最後のほうに出てくることが多いです。どんな数に1をかけても、その数のままです。
- 同じ数どうし(ににんがし、ししじゅうろく、はっぱろくじゅうしなど)は、表の中の目印として覚えておくと便利です。
苦労している子に、そっと伝えたいことがあります。3×8と8×3の答えは同じなので、ひとつの段を覚えると、別の段の一部がおまけでついてきます。九九表を見て感じるほど、本当に新しい答えは多くありません。
家でできること(テストにしないで)
効果のある方法は、説明するとつまらないほど地味です。少しずつ、ひんぱんに、プレッシャーなしで、意味の理解と暗記を並行して進めること。週に1回の長くて緊張した時間より、ほぼ毎日の数分のほうがずっと身につきます。
- 短く。この年齢なら5分で十分です。楽しくなくなる前にやめます。
- 生活の中に溶けこませる。タコの足は8本ずつ、自転車の車輪は2つずつ、卵パックは5個ずつ2列。気をつけて見ると、かけ算はあちこちにあります。
- 唱える練習の聞き役になる。学校で九九を唱える宿題が出たら、家の人の役目は判定する人ではなく、聞いてくれる人です。言えたらサインをして、つまったら答えを言わずに少し待ちます。
- 忘れたら、作り直してもらう。6×7が出てこなければ、6×6の36に6をたして42。速く思い出せるようになるのは、使っているうちのこと。作り直す方法を知っていれば、あわてずにすみます。
- 速さより、やり方をほめる。どうやって答えにたどり着いたかを話せる子は、答えだけを叫ぶ子より多くを学んでいます。

ここまでは要点だけです。覚え方そのもの、つまり記憶のしくみ、1日5分の練習、本当に役に立つコツ、タイム計測のかわりになる遊びは、九九の覚え方にまとめています。
入学前に九九を先取りしたほうがいい?
九九の歌や唱えことばで、年長さんや小1のうちから九九を言える子もいます。リズムで覚えること自体は悪いことではありませんし、本人が楽しんでいるなら止める必要はありません。ただ、唱えられることと、かけ算の意味がわかっていることは別です。2年生の授業では、九九を唱える前に「同じ数ずつのまとまり」を絵や図で考え、九九を自分たちでつくっていきます。先取りするなら、唱える練習より、上で紹介したとび数えや「まとまりで見る」遊びのほうが、授業でずっと役に立ちます。
私たちのアプリの位置づけ
私たちのアプリについても正直に書いておきます。算数アプリの多くは、約束しすぎるからです。99 Math Animalsが扱うのは、まとまりとしてのかけ算、つまり同じ数ずつの動物や果物を数えることで、上で書いた「準備の力」にあたる部分です。九九81問をすべてドリルするアプリではありませんし、学校や家庭での唱える練習のかわりにもなりません。九九を全部すらすら言えるようになるのは記憶の仕事で、どんな道具を使うにしても、遊びや生活の中で数えることと、毎日の短い練習でいちばんよく育ちます。
アプリが手伝えるのは、その手前の部分です。「3こずつが4つ」が見えて、覚える前にかけ算の意味がわかること。私たちが大事にしているのはそこです。アプリを選ぶときの考え方は算数アプリの選び方に、その土台になる数の力は100まで数えられるのは何歳?にまとめています。
保護者の方からよくある質問
九九は何年生の何月から習いますか?
小学2年生の2学期、10月ごろからです。教科書によって少し違いますが、5・2・3・4の段を習ったあと、11〜12月ごろに6〜9の段と1の段に進み、年内に九九表まで学ぶのが一般的な流れです。
九九は何の段から覚えるのがいいですか?
学校と同じく、5の段と2の段からがおすすめです。5とび・2とびと同じ並びなので覚えやすく、次に3・4の段、最後に6〜9の段へ進みます。3×8と8×3のように答えが同じものが多いので、後半の段ほど新しく覚えることは減っていきます。
2年生の冬になっても、九九がすらすら言えません。遅れていますか?
多くの場合、心配いりません。九九は授業で2か月半ほどのあいだに一気に学ぶので、すべての段がすぐに出てくるようになるまでには、そのあと数か月かかるのが普通です。3年生のわり算で使ううちに安定する子もたくさんいます。何か月たっても同じところで止まっている、強い不安があるといった場合は、担任の先生に相談してみてください。
入学前に九九を覚えさせたほうがいいですか?
必要ありません。唱えるのが好きなら止めなくてよいですが、授業で役に立つのは、2とび・5とびで数えることや、「3こずつが4つ」のように同じ数のまとまりで見る経験です。意味がわかっていれば、九九は2年生で無理なく覚えられます。



