サビタイジングとは?(数えずに、ぱっと数がわかる力)

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サビタイジング(subitizing)とは、小さなまとまりの中にいくつあるかを、ひとつずつ数えずに、すぐにわかることです。点が3つあるのを見て、ただ「3」とわかる。大人がさいころの目を、点にひとつもふれずに読むのと同じです。日本語では「ぱっと見て数がわかる力」と言いかえられることが多く、ドットカードの遊びで耳にしたことがある方もいるかもしれません。
結論から言うと:この力は驚くほど早く始まり(赤ちゃんでも2個と3個に違う反応を示します)、少ない数なら3〜4歳ごろには安定します。その先にあるもう一段階、見てとった小さなまとまりを組み合わせる力は、年長〜小学1年生ごろに育ち、たし算につながる最初の確かな足がかりのひとつになります。
私たちがつくっている数のアプリでは、子どもは答えを書く前に、画面の上の動物の小さなまとまりを見ます。だから、子どもがまとまりをどうとらえているか、ひと目でわかっているのか、ひとつずつ数えているのかを、私たちはいつも考えています。ここでは、サビタイジングが本当に意味すること、それが育つ2つの段階、そして、ふだんは軽く扱われがちなこの力に、もっと注目したい理由をまとめます。
サビタイジングって、どういうこと?
量を見て、ひとつずつ数える手順を踏まずに、すぐに数がわかることです。これは2つの段階に分かれます。知覚的サビタイジングは、小さなまとまりをひとつの形としていっぺんにとらえること。さいころの目を数えずに読むときに起きていることで、たいてい4〜5個くらいまでなら確実です。
概念的サビタイジングはその先の段階で、大きなまとまりの中に2つ以上の小さなまとまりを見つけ、それをすぐに組み合わせることです。さいころの6を、6つのばらばらの点ではなく「3と3」として、意識してたし算をせずにとらえる。日本の1年生が5月ごろに学ぶ「いくつといくつ」(数の合成・分解)は、まさにこの見方を育てる学習です。
いつごろ育つの?
ほかの多くの数の力より早く育ちます。赤ちゃんでさえ、2個と3個に対して測定できるほど違う反応を示すことがわかっていて、数えることを覚えるずっと前のことです。少ない数(2〜4個)の知覚的サビタイジングは、たいてい3〜4歳ごろに安定します。概念的サビタイジングは、ワーキングメモリやまとまりでとらえる力が育ってくる、年長〜小学1年生ごろに伸びる力です。
| 段階 | どんな姿か | おおよその時期 |
|---|---|---|
| はじまりの知覚 | 数えるずっと前から、2個と3個に違う反応をする | 乳児期 |
| 知覚的サビタイジング | 2〜4個のまとまりを、数えずにすぐ言える | 3〜4歳ごろ(年少〜年中) |
| 見慣れた形への広がり | さいころやドミノなど、見慣れた並びなら5〜6個まですぐわかる | 4〜5歳ごろ(年中〜年長) |
| 概念的サビタイジング | 6の並びを「3と3」と見て、すぐに組み合わせる | 5〜7歳ごろ(年長〜小1) |

なぜ、思っている以上に大切なの?
サビタイジングは、数の感覚(量を、唱えることばの一部としてではなく、量そのものとしてとらえる力)が育っていることを示す、もっとも早い確かなしるしのひとつだからです。そして概念的サビタイジングは、たし算への自然な入り口のひとつです。
6の点の並びをすぐに「3と3」と見る子は、計算としてではなく見ることによって、3+3=6にとても近いことをしています。サビタイジングが得意な子は、数えるときにも自信をもちやすい傾向があります。「だいたい5に見えたし、数えても5だった」と、ぱっと見た印象で数えた結果を確かめられるからです。
日本の1年生の教科書が、物の数を数図(点の図)やブロックに置きかえ、5のまとまり・10のまとまりで並べて見せるのも、この力とつながっています。5つと2つで7、とひと目でわかれば、ひとつずつ数えなくてすみます。そして「10はいくつといくつ」を点の並びや10のわくで見てわかるようになると、秋に習うくり上がりのあるたし算がぐっと楽になります。8を見て「あと2つで10」と感じられる子は、8+5を「10と3」にする道のりの半分まで、もう来ているのです。
速く数えるのとは、何が違うの?
速く数えても、数えていることに変わりはありません。ひとつずつ順番にさわったり名前を言ったりするのを、速くしているだけです。サビタイジングには順番がまったくありません。量がひとつの印象としていっぺんに入ってきます。ほとんどの大人が、犬の足を数えなくても4本だとわかるのと同じです。だからこそ大人でも4〜6個くらいが上限で、それを超えると脳は確実に「数える」に切り替えます。それは普通のことで、子どもについて心配すべき限界ではありません。

家でできる、かんたんな育て方は?
- 少ない数をちらっと見せて、かくす。3〜4個の物を1秒ほど見せてから手やハンカチでかくし、「いくつだった?」と聞きます。短く見せることで、ゆっくり数えるのではなく、ぱっと読むことになります。
- さいころとドミノをあえて使う。点の並び方がいつも同じで見慣れているので、サビタイジングにぴったりです。すごろくのようなさいころを使う遊びは、それだけでさりげない練習になっています。
- 大きな並びの中の小さなまとまりを指さす。「ほら、2つと、あと2つ」と言うだけで、ただの並びが、概念的サビタイジングへのやさしいきっかけになります。たし算の式を求める必要はありません。
- ドットカードは「見せる時間」が肝心。カードを1秒ほど見せて裏返します。子どもが数え始めたら、見せている時間が長すぎたサインです。
ドットカードを上手に使うコツは?
ドットカードは、日本でも幼児向けの教材としてよく知られています。小学1年生の教室でも、教科書の数図(点の図)や算数セットのブロックのように、まとまりの形で数をあらわす教具が使われます。家で使うときは、次のような点を意識すると、ただ当てるゲームではなく、数の見方を育てる時間になります。
- 「どう見えた?」と聞く。答えが合っていても合っていなくても、「どんなふうに見えた?」とたずねます。「2と3に見えた」「さいころの5だった」という答えは、概念的サビタイジングそのものです。
- 見慣れた並びから。最初はさいころの目、次に5つずつのわく(「5といくつ」)、ばらばらに散らばった点はそのあとで。見慣れた形があってこそ、ぱっと見てとれます。
- 少ない枚数を、短く。1回に数枚、1〜2分で十分です。たくさんのカードを高速でめくっていく遊び方とは目的がちがい、ここで大事なのは1枚ずつの「見えた」という手ごたえです。
- 答えは本人に確かめさせる。カードをもう一度表にして、いっしょに数えて確かめます。ぱっと見た印象と数えた結果が合う体験が、自信につながります。

2個でも数えてしまいます。遅れている?
必ずしもそうではありません。少ないまとまりをサビタイジングせずに数えるのは、まちがいではなく、少し前の段階というだけです。多くの子は、その場で自信があるかどうかによって、2つのやり方を行ったり来たりします。決まった時期に切り替わるわけではありません。さいころ、ドミノ、見慣れた指の形など、同じいくつかの並びに、くり返し、意識してふれることが、「数えるまとまり」を「見ればわかるまとまり」に変えていきます。数えることそのものを直す必要はありません。数えて確かめたくなるのは、むしろ正確でありたいという、算数にとって大事な姿勢のあらわれでもあります。「数えて確かめたんだね」と認めつつ、ときどき「ぱっと見て、いくつに見える?」と聞いてみる。そのくらいの軽さで十分です。
保護者の方からよくある質問
サビタイジングとは、かんたんに言うと?
小さなまとまりの中にいくつあるかを、ひとつずつ数えずにすぐにわかることです。さいころの目を、点をさわらずに読むときのような力で、たいてい4〜6個くらいまでなら確実にできます。
サビタイジングは何歳ごろできるようになる?
とても早く、赤ちゃんでも2個と3個に違う反応を示します。小さなまとまりをすぐに言う知覚的サビタイジングは3〜4歳ごろに安定し、「3と3で6」のように小さなまとまりを組み合わせる概念的サビタイジングは、年長〜小学1年生ごろに育ちます。
ドットカードは何歳から使える?
1〜3個くらいの少ない点なら、2歳半〜3歳ごろから遊びとして楽しめます。大切なのは見せる時間を1秒ほどにすることと、正解させることより「ぱっと見る」体験を重ねることです。5より大きい並びは、5と10のまとまりが見えてくる年中〜年長以降がおすすめです。
サビタイジングは、なぜ算数に大切なの?
数の感覚のいちばん早い、確かなしるしのひとつで、とくに概念的サビタイジングは、計算ではなく見ることでたし算をしているのに近いからです。1年生の「いくつといくつ」や、10のまとまりの学習にもつながります。



