数字のなぞり書きプリント、効果が出る使い方

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なぞり書きのプリントがいちばん役に立つのは、お手本が少しずつ薄くなり、最後には消えていくときです。くっきりしたお手本を、何度もなぞり続けるときではありません。
結論から言うと:大事なのは、なぞることそのものより、進める順番です。くっきりしたお手本をなぞる、点線をなぞる、薄いお手本をなぞる、そして最後は何もない線の上に、思い出して自分で書く。
お手本が最後まで消えないまま埋めたプリントは、見た目ほどには身についていません。ここでは、なぞり書きで本当に身につくこと、その効果をほとんどなくしてしまうよくあるまちがい、そして紙と鉛筆だけで家でできるなぞり練習を紹介します。
私たちは99 Math Animalsの手書き認識をつくっているので、数字の書き方のことはいつも考えています。なぞり書きは本当に役立つ道具ですが、数字を書けるようになるための一部にすぎません。準備のサイン、始める数字の順番、体を使った練習などの全体像は数字の書き方の教え方にまとめました。この記事では、なぞり書きだけをもう少し深く掘り下げます。
なぞり書きは、何に役立つ?
なぞり書きは、子どもの手がまだひとりで形をつくれないうちから、正しい道すじをたどらせてくれます。手助けを受けながら正しい動きをくり返すうちに、手助けなしでも同じように動ける、体の記憶ができていきます。とくに書き始めのころや、2や8のようなむずかしい数字で役に立ちます。ただし、落とし穴がひとつあります。お手本は、いつか本当に消えなければなりません。そうでないと、体が覚えるのは「2を書く」ことではなく、「この線をたどる」ことになってしまいます。
日本では、数字や文字の前に、線や曲線をたどる「運筆(うんぴつ)」の練習がよく知られています。小学校の学習指導要領も、1・2年生の書写について、運筆の力が伸びるよう指導を工夫することを求めています。数字のなぞり書きは、その延長線上にある練習です。
なぞり書きの効果をなくしてしまう、よくあるまちがい
なぞり書きがうまくいかないとき、いちばんよくあるのがこのパターンです。お手本のあるますを、次から次へ、ページをめくってはまた埋めていき、お手本が一度も薄くならない。こうなると、なぞり書きは上の空でなぞるだけの作業になります。頭はほとんど使わずに、鉛筆が線をたどっているだけ。大人が書き慣れた自分の名前を、まったく別のことを考えながら書けるのと同じです。練習しているように見えますし、きれいに埋まったページもたくさんできます。けれども手助けを一度も外さなければ、何もないところに数字を書く力には、ほとんどつながりません。解決策は、なぞる量を増やすことではなく、手助けを減らすことです。それも、少し早すぎるかなと感じるくらいのタイミングで。
効果が出る4つの段階
段階ごとに、手助けを1つずつ減らしていきます。
| 段階 | どんな形か | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| くっきりしたお手本 | 線の太い、完成した数字の上を直接なぞる | 動きに慣れたらすぐ。数回くり返しただけで進めることも多い |
| 点線・破線 | とぎれた線をつなぐ。たどる道はまだはっきり見える | 点線からはみ出すことが、ほとんどなくなったら |
| 薄いお手本 | うっすら見えるくらいの線。たどる線というより、ヒント | たいていの回で、読める形が書けるようになったら |
| 空欄 | 書く線があるだけ。思い出して自分で書く | これが本当のゴール。ここまでの段階は、そのための足場 |

1枚のプリントの中にこの4段階がそろっているのが理想ですが、そろっていなくても、使い方で補えます。たとえば同じお手本が何個も並ぶプリントなら、最初の2つだけなぞって、残りはお手本を指や紙でかくし、思い出して書いてもらう。大人が「手助けを外す係」をすれば、どんなプリントでも段階をつくれます。
プリンターがなくてもできる、手づくりのなぞり練習
- 大人が書いて、子どもがなぞる。ペンや鉛筆で数字を書き、その上をなぞってもらいます。印刷はいらず、その子の手にちょうどよい大きさで書けます。
- 蛍光ペンで書いて、鉛筆でなぞる。色がついていると、プリントがなくても道すじがはっきり見えます。
- 塩や砂、泡に指で書く。紙を使わない方法です。感触が加わるうえに、ならせばすぐに次の1回ができます。
- ホワイトボードに薄く書いて、濃い色でなぞる。大人が薄い色で書いた数字を、子どもが濃い色でなぞります。お手本が薄いぶん、「手助けを減らす」段階が自然に入ります。
- なぞりながら、動きを声に。3なら「上から、くるん、くるん」。ことばが、手が覚えようとしている道すじを後押しします。
- マス目ノートの補助線を使う。低学年用のノートに多い、十字の点線で4つに区切られたますなら、「どのおへやから書き始めるか」を伝えやすくなります。


市販や無料のプリントを選ぶときは
書店の幼児ドリルやネットの無料プリントには、役に立つものと、ただ量が多いだけのものがあります。見分けるポイントは次のとおりです。ページの中でお手本がちゃんと薄くなっていくこと(最初から最後まで同じお手本のくり返しではないこと)。完成した形だけでなく、書き始めの位置と進む向きがわかること。大人向けの小さな字ではなく、小さな手に合った大きさであること。そして、1つの数字のくり返しが1行まるごとではなく、数回で終わること。量より、どれだけ集中して書けるかが大切です。
日本のドリルやプリントには、書き順の番号や矢印がついたものも多くあります。学校で習う書き方に合わせるには便利なので、入学が近づいたら、そうしたものを1枚まぜるのもよい方法です。反対に、お手本がずっと同じ濃さのまま何十個も並ぶページは、きれいに埋まっても、ここで話してきた「手助けを外す」段階が抜けています。書き順の番号がついたプリントを使うときも、番号を目で追うだけでなく、「1、2」と声に出しながら書くと、動きの順番が手に残りやすくなります。
何歳ごろから、どのくらい?
決まった開始年齢はありませんが、おおまかな流れはあります。年少さんのころは、数字よりも、線や曲線、迷路をたどる運筆の遊びが中心です。年中さんになり、丸を閉じたり、たて線・よこ線をねらってかけたりするようになったら、1や7のような直線の数字のなぞり書きを少し始めてもよい時期です。年長さんでは、0〜9のなぞり書きから、空欄に自分で書く段階へ進む子が増えます。
量は、1回に1枚、あるいは1行で十分です。小学1年生になると、学校の算数でも国語でもマス目のノートに書く練習が毎日のように始まるので、入学前に何十枚もこなしておく必要はありません。年長さんの冬に家でできるいちばん役立つことは、なぞり書きの枚数を増やすことより、手助けを外して空欄に書く経験と、学校で習う書き順に合わせておくことです。
練習の途中で数字が左右反対になっても、なぞり書きのせいではありません。数字の鏡文字は7歳ごろまでとてもよく見られる、書くことを覚える途中の姿です。
なぞり書きだけで十分?
いいえ。でも、なぞり書きにそこまで求める必要もありません。なぞり書きは動きをつくるための道具のひとつで、数えること、量について話すこと、そして手づくりの絵本にページ番号を入れるような、目的のある「書く」に代わるものではありません。画面を使わない、そうした遊びのアイデアは家でできる数遊びにまとめています。
保護者の方からよくある質問
数字のなぞり書きプリントは効果がある?
あります。ただし、お手本が少しずつ薄くなり、最後には消えることが条件です。いつもくっきりしたお手本をなぞるだけのプリントでは、何枚こなしても線をたどることを覚えるだけで、数字をひとりで書く力にはなりにくいのです。
1つの数字を何回なぞればいい?
ふつうのドリルが求めるより、ずっと少なくて大丈夫です。注意して数回なぞり、くっきり→薄い→何もない、とすばやく進むほうが、同じお手本を20回なぞるより身につきます。
プリンターがなくても練習できる?
できます。大人が書いた数字をなぞる、蛍光ペンで書いた数字を鉛筆でなぞる、塩や砂のトレーに指で書く。どれも印刷したプリントと同じように使えて、大きさや進み方も調整しやすい方法です。
なぞり書きから自分で書くのに移るのは何歳?
決まった年齢はありません。数字ごとに慣れる早さがちがうからです。お手本からほとんどはみ出さなくなったら、それが手助けを外すサインです。年齢ではなく、安定して書けているかどうかで決めてください。



