時計の読み方の教え方:「なんじ」から「なんじなんぷん」まで

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多くの子がアナログ時計の読み方を学び始めるのは5〜7歳ごろ。小学校では1年生で、まず「なんじ」「なんじはん」、学年の後半に「なんじなんぷん」を習います。ちょうど5とびで数えられるようになる時期と重なるのは、偶然ではありません。時計の文字盤は、5とびでできているからです。
結論から言うと:一度に全部ではなく、段階を追って教えます。「なんじ」、「なんじはん」、5分きざみ、1分きざみの「なんじなんぷん」、そして小2で午前・午後。ポスターだけでなく、針を手で動かせる時計を使うのがおすすめです。デジタル表示があふれる今は、アナログ時計の読み方は自然には身につきにくく、意識して教える必要があります。
私たちは、時計の文字盤と同じ「とび数え」を土台にした数のアプリをつくっています。アプリで時計の読み方を教えているわけではありませんが、土台が同じなので、時計のことはいつも気になっています。この記事では、デジタル時代にアナログ時計を読む意味、いちばんスムーズな教える順番、そして子どもがつまずきやすいところをまとめます。
デジタル時計の時代でも、アナログ時計は読めたほうがいい?
はい。理由の多くは、時計そのものとは関係ありません。アナログの文字盤を読むことは、角度、半分、そして5とびをひと目で同時に使う、空間と数のしっかりした力です。表示をそのまま読めば終わるデジタルの数字とは、そこが違います。
それに、生活の中でもまだたくさん出会います。小学校の教室の時計は多くがアナログですし、腕時計や駅、公園の時計もそうです。学習指導要領でも、1年生の時刻の学習は「日常生活の中で時刻を読む」ことがねらいで、読んだ時刻を毎日の生活と結びつけることが大切にされています。変わったのは、子どもが毎日なんとなく目にする機会が、デジタル時計の少なかった世代よりずっと減ったこと。だから、自然に覚えるのを待つのではなく、意識して教える必要があるのです。
学校ではいつ、どんな順番で習う?
学習指導要領では、1年生で日常生活の中で時刻を読むこと、2年生で時間の単位(日、時、分)とその関係、3年生で秒と、時刻や時間の求め方を学びます。教科書の例でいうと、日本文教出版の1年生は9月中旬に「なんじ・なんじはん」、2月中旬に「なんじなんぷん」、2年生は6月上旬の「時こくと時間」で、1時間=60分、1日=24時間、午前・午後を学ぶ流れです。時期は教科書によって少しずつ異なりますが、順番はほぼ同じで、家で教えるときもこの順番がいちばんスムーズです。
| 段階 | どこを見る? | 土台になる力 | 学校では |
|---|---|---|---|
| なんじ | 長い針が12をさし、短い針が数字をさす | 1〜12の数字が読める | 小1の前半 |
| なんじはん | 長い針が真下の6をさす | 「半分」の感覚 | 小1の前半 |
| 5分きざみ | 長い針がさす数字×5(3なら15分) | 5とびで数える | 小1の後半 |
| なんじなんぷん | 長い針の位置を、目もり1つ=1分で読む | 5とびと、1ずつ数える力 | 小1の後半 |
| 午前・午後、時間の長さ | 1日=24時間、1時間=60分 | 時刻と時間を区別する | 小2 |
| 〜分後・〜分前、秒 | 時刻や時間を計算で求める | たし算・ひき算 | 小3 |
5分きざみの段階は、まさに2とび・5とびの数え方が直接役に立つところです。積み木を「5、10、15、20」と数えられる子は、新しいことを何も覚えなくても、同じ力を文字盤の数字のまわりで使えます。使う場所が新しくなるだけです。

日本語ならではの「読み方」のむずかしさ
日本の子には、針の位置とは別の山がもうひとつあります。読み方です。4時は「よじ」、7時は「しちじ」、9時は「くじ」で、「よんじ」「きゅうじ」とは言いません。分はもっと複雑で、1分は「いっぷん」、2分は「にふん」、3分は「さんぷん」、6分は「ろっぷん」、10分は「じゅっぷん(じっぷん)」と、「ふん」と「ぷん」が入れかわります。時計は読めているのに、言い方でつまずいているだけ、ということもよくあります。まちがえたときは、針が読めていないのか、言い方なのかを分けて見てあげてください。言い方は、大人がふだん自然に使っていれば、少しずつそろっていきます。
どこでつまずきやすい?
ほとんどの子が最初につまずくのは、短い針の「途中の位置」です。3時45分の短い針は、3にも4にもきっちり乗っていません。4のほうにかなり近づいています。いちばん近い数字を読むのではなく、「まだ4時にはなっていないから3時」と読めるようになること。これが、時計の読み方全体の中でいちばんむずかしいところです。前もって「ここはむずかしいところだよ」と伝え、長い針より時間がかかるものと思っておくと、親子ともに楽になります。
針を動かせる時計は、本当に必要?
ポスターやプリントだけよりも、ずっと役に立ちます。自分の手で針を動かして、2本の針の関係を見ること。長い針をぐるっと1周させると、短い針が次の数字まで進む。この動きは、止まった絵では見えません。1年生の算数セットには、針を動かせる時計の模型が入っていることが多いので、家でも出してきて使ってみてください。手元にない場合も、針を手で回せる簡単な時計がひとつあれば十分です。

午前・午後と、24時間の表し方
2年生では、1日が24時間であること、午前と午後がそれぞれ12時間あること、昼の12時を「正午」ということを学びます。学校で中心になるのは「午後3時」のような午前・午後の言い方ですが、生活の中では、電車の時刻表やデジタル時計、スマートフォンなどで「15:00」のような24時間の表し方にも出会います。出会ったときに「午後の時刻に12をたすと、この数になるんだよ」と軽く結びつけてあげる程度で十分です。
2年生でもうひとつ大切にされるのが、「時刻」と「時間」の区別です。「7時」「8時」のように時計が示すある一点が時刻で、「7時から8時まで」のような長さが時間。大人は「何時?」と「何時間?」をなんとなく使い分けていますが、子どもにとっては新しい考え方です。家でも「いまの時刻は?」「お風呂に入っていた時間は?」と、2つの言葉を意識して使ってみると、学校での学習とつながります。
どのくらいで読めるようになる?
このサイトで扱うほかの数の力より、時間がかかります。それで普通です。時計を読むことは、数字を読む力、5とび、半分の感覚、空間の感覚をいくつも重ねたもので、ひとつのすっきりした考え方ではないからです。学校でも、「なんじ・なんじはん」から「なんじなんぷん」までに数か月かけ、2年生・3年生でさらに積み上げていきます。家でも何日ではなく何か月の単位で見て、どんな時刻でもひと目で読めるようになるのは、最初に習ってからずっとあと、と考えておくとよいでしょう。

「なんじ」と「なんじはん」しか読めない。遅れている?
いいえ。それは上の順番のちょうど真ん中で、何かがうまくいっていないしるしではありません。5分きざみや1分きざみの段階は、もともとあとから来るもので、同じ時期にまだ育っている途中のとび数えなどの力にたよっています。
家でできること
- 生活の時刻と結びつける。「7時になったら朝ごはん」「3時はおやつ」のように、毎日同じ時刻に起きることと結びつけると、時計を見る理由が生まれます。
- 長い針で約束する。「長い針が6になったらお風呂ね」は、「あと30分」よりずっと伝わります。
- 子どもの目に入る場所にアナログ時計を。リビングや子ども部屋の見やすいところに、数字がはっきりした時計をひとつ。
- 「あと何分?」はあとで。時間の長さを考えるのは2年生の内容です。最初は「いま何時?」だけで十分です。
保護者の方からよくある質問
時計は何歳から読めるようになりますか?
5〜7歳ごろに学び始める子が多く、小学校では1年生で「なんじ・なんじはん」、学年の後半に「なんじなんぷん」を習います。どんな時刻でもすぐ読めるようになるのは、そこからさらに数か月以上かかるのが普通です。
時計の読み方は何年生で習いますか?
1年生で時刻の読み方(なんじ、なんじはん、なんじなんぷん)、2年生で1時間=60分や1日=24時間、午前・午後、3年生で秒や、「〜分後」「〜分前」の求め方を学びます。
短い針の読み方をまちがえるのはなぜですか?
短い針は、ちょうどの時刻以外は、数字の上にきっちり乗っていないからです。3時45分なら短い針は4にかなり近づいていますが、まだ4時ではないので3時。この途中の位置を読むことが、時計の読み方でいちばんむずかしいところです。
家にデジタル時計しかありません。アナログ時計で練習したほうがいいですか?
はい、ひとつあると助かります。教室の時計は多くがアナログで、1年生の算数もアナログ時計で学びます。リビングなど子どもの目に入る場所に、数字のはっきりした時計を置いておくだけでも、ふだんの練習になります。



